ドイツのオルガン製作がユネスコ無形文化遺産に!(「DOYU IWATE」2018年2月号)

ドイツには、古くからオルガン製作の伝統があります。現在でも、約400社のオルガン工房が存在し、約2800人が働いています。製作されているのは、肩に下げて持ち運びできる数十万円のものから、数億円する大きな教会のパイプオルガンまで様々です。既存のオルガン台数は約5万台。世界でもっともオルガン密度が高い国です。

私が住む人口2万人のヴァルトキルヒ市は、オルガンの町で、全盛期の20世紀初頭は、25 の工房がありました。現在でも6件の工房があり、約30人あまりがオルガン製作に従事しています。10数名が働くヴァルトキルヒの一番大きな工房イェーガー&ブロンマー社には、岩手中小企業同友会の視察団の方々も2度訪問されています。そこの共同経営者の一人ブロンマーさんから、昨年12月始めに 「ドイツのオルガン製作とオルガン音楽が、無形文化財として、ユネスコ世界遺産に選ばれた!」嬉しいメニュースレターが届きました。

オルガンは、設置する場所の空間、音響、室内の湿度や依頼者の予算に合わせて、個別にデザイン設計し、製作されます。 メインの材料は「木」で、木材のなかでも高品質な部分、肉で言えば、極上ヒレや極上ロースの部分が使用されます。オルガン職人の精巧な木材加工技術と音に関する繊細な感覚で製作されます。ドイツは職人の国でもありますが、オルガン製作は、そのなかでも最高峰の技術と技能が求められるもので、ユネスコ世界遺産に選ばれるだけの品格をもった手工業職です。

手に職を持つ、ということは、社会から認められることであり、活動の可能性を広げ、喜びや自信、生き甲斐をもたらすものです。

ドイツのオルガン製作者は、その製品を世界に輸出しています。ヴァルトキルヒのブロンマー氏の会社も、盛んにアジア方面へ輸出しており、日本へも、過去10年間で6台のパイプオルガンを輸出。現在も、東京市ヶ谷の番町教会から依頼されたパイプオルガンを製作しています。製作は約1年がかり。工房で組み立てたものを、一旦解体し、コンテナに積んで船で日本へ輸送。その後、現地の教会での組み立て調律作業に4週間。今年末までに現地引き渡し完了の予定です。ブロンマー氏は「日本は食べ物が美味しい。言葉が不自由でも、音楽が人を結んでくれる」と再来日するのを楽しみにしています。伝統的な職能が、人と国を繋ぎます。

岩手中小企業家同友会の会報「DOYU IWATE」に連載のコラムより

 

ドイツ視察セミナー 森 建築 楽器 木材展  2018 6. 20 – 24

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