先週(2019年5月半ば)、自宅の屋根にソーラーパネルがつきました。
設備容量はほぼ10kWp、地元の電気設備会社にトータルで頼んで設置してもらいました。屋根で生産した電力をそのままダイレクトに自宅で消費し、高い電気料金を節約することを第一に考えてのものです。
ドイツで再エネ電力の固定買取(FIT)を電力会社に義務付ける再生可能エネルギー法が始まった2000年代のはじめのころは、太陽光発電は、小規模の屋根設置型で1kWhあたり50セント(約65円)ともっとも高価な発電源でしたが、生産量の増加と技術革新によって、わずか15年あまりの間で、風力発電と並んで、もっとも安い再生可能電源になりました。現在のドイツの小規模の屋根のソーラーの発電コストは、kWhあたり10セント(13円)を切っています。野立てのメガソーラーであれば、6セント(8円)くらいのものも現在つくられています。
以前はFITに頼り、作った電気を売電する、というビジネスモデルでしたが、2015年くらい前から、自己消費型の事業が、家庭や製造業などで増加しています。一般家庭の電力価格が1kWhあたりおよそ28セント(36円)、中小の製造業で20セント(26円)に対して、屋根のソーラー発電のコストは9セント(12円)以下なので、自分で消費したほうが経済的になっています。我が家もその波に乗っかりました。
電気設備会社が見積と一緒に提供してくれた生産と収益のシュミレーションによると、家の屋根についたソーラーの年間生産量はおよそ1万kWh。1kWpあたり1000kWh、ドイツの平均より100kWhくらい上を行っています。屋根は南東向きで少し高台の日当たりがいい場所なので。日本の太平洋岸の地域の1300とか1500kWhに比べると低いですが。
我家の電力消費量は年間およそ4500kWhくらい。屋根の上のソーラーから直接自己消費できる電力量はおよそ2000kWhいう予測です。よって電力自給率は45%程度になります。地元のヴァルトキルヒ都市公社に払っている電気代は月々100ユーロくらいですが、それが半分くらいになるはずです。余剰電力は年間およそ8000kWhで、これはまだ継続しているFITで1kWhあたり11セント(14円)で買い取ってもらえます。計算すると初期投資は10年前後で償却できる計算になります。地域の繋がりを大切にし、地域での再エネ増加を目指しているヴァルトキルヒの都市公社は、顧客が設置した太陽光パネルに対して、一律720ユーロ(9万4千円)の補助をしています。自己消費が増えると電力の売り上げは減るにもかかわらず!
電気設備会社からは、自給率を8割くらいまで上げることが可能な6.7kW蓄電池(価格は50万円くらい)も合わせて提案され、経済性も高くなるので追加でつけるかどうか考えましたが、とりあえず、バッテーリーのコストパワーマンスがもう少し高まるまで、あと1、2年待つことにしました。
さて、これからは、太陽が照っているときに洗濯機や食洗機を回し、調理をすることを心がけて行かなければなりません。
岩手中小企業家同友会会報「DOYU IWATE」2019年6月号に掲載