高いお金を払ってドイツから広葉樹材を輸入しなければならなくなった!

数年前、北海道の知内町で森林ワークショップに呼ばれた際、ドイツのフォレスターと一緒に、町の家具建具製作会社を訪問しました。タイトルは、そのときに会長さんが話された印象的な言葉です。
その会社は、広葉樹を剥いて化粧板をつくり、それを貼り合わせて高級な成形家具を製作し、有名なコンサートホールなどに提供しています。優れた技術をもっています。以前は、北海道からオークや白樺やタモなどの大木を仕入れて製品を製作していたそうですが、ここ数十年は、ドイツなどから加工された化粧板を輸入しなければならない状況だそうです。なぜかというと、北海道で、以前あった天然林の大径木がすでに伐り尽くされてなくなってしまったからです。「せっかくここにある化粧板を剥くこの機械も使う需要がなくなってしまった」と不満を露わに言われました。

アメリカのある地域でも同じようなことが起こっていると聞いたことがあります。広葉樹材は「流行り」があります。5年おきくらいにそれは変わります。黒肌のオーク材が流行ったとき、その地域のオークが片っ端から伐採され製材されて高価に売られました。流行りが過ぎで数年後、再びオーク材の需要が高まったとき、その地域の製材工場はオーク材を仕入れることは残念ながらできませんでした。すでに前の流行りのとき伐り尽くされていたので。

原木は重くてかさばります。いかに山から工場への輸送コストを抑えるかが鍵です。遠くなると、工場の採算は合わなくなります。だから地域で持続的に材が供給されることが重要です。

ドイツやスイスでは、幸運なことに、成長量の範囲内での伐採を規定する制度もあり、次世代のことを考えて、様々な大きな木を残しておく森林経営をする森林所有者(州、自治体、民間)が大半なので、製材工場も安心して経営し、将来への投資もできます。とりわけたくさんの種類がある広葉樹を専門に製材する工場においては大切です。

日本には、広葉樹が育つのに最適な環境がたくさんあります。素晴らしい材質のスギやヒノキとともに、様々な広葉樹を持続的に育てていくことは、地域経済に、生態系に、そして観光に、様々な利益を与えると思います。今からでも遅くありません。50年後、100年後のために。

「自然との同盟」+「世代間契約」

時間的に途切れることなく続いている森。大小様々な樹木が共生している「恒続森」は、欧州では数百年前、山奥の森林農家や共有地の森で、代々少しづつ育った木を抜き伐りするなかで、経験的に出来上がったものです。

「納屋が古くなったから、山から何本か木を切ってきて補修しよう」

「娘が来年結婚する。新しく家を建てるようだから、今のうちにうちの山の木も20本くらい伐って、乾かしておこう」

「いま、オランダの造船業が、黒い森のモミの木の大きな丸太を欲しがっている、と村で話を聞いた。近いうちに集落で集めて、長い筏を組み、ライン川を下ってアムステルダムまで売りに行くらしい。うちの山からも何本か出そう。そしたら、牛やヤギも増やせる。新しく製材機の材料も買えるかもしれない」

現代であれば、
「隣のオヤジが新しくジョンディアのトラクターを買った。あれ俺も欲しいな。銀行にお金を借りるのは、利子が安くても気分的にいやだ。うちの山を少し間伐したら買えるな。今木材単価も高いしそうしよう」

といったその時々の様々な動機で、毎回少しづつ択伐的に伐られていくなかで、出来上がっていったのが複層の「恒続森」です。森は貯蓄預金。大切なことは、その元金はかならず次の世代に残しておく、ということ。成長した分(=増えた利子)の範囲で収穫すること。お金と手間がかかる植林はできるだけしない。自然に更新してきた稚樹に、上の木を少しづつ切ることで、少しづつ光を当てて行き辛抱強く育てる。

一方で、一斉に植えて、一斉に育てて、一斉に伐る、という畑作的な林業が、200年前に学術的に体系化されはじめ推進されてからは、択伐的な利用、複層構造の森づくりは、「無計画、不規則、無秩序」と学者や官僚に非難され、一部の地域では、禁止令が出されました(例えば私の住むシュヴァルツヴァルトを以前支配していたバーデン公国)。しかし、幸運なことに、上からの押さえつけに簡単には動じない農家や村の共有地があり、この森づくりは継続されていき、20世紀初頭には、森林学のなかで、択伐的施業や恒続森を、学術的に体系づけ、洗練したドイツのメラーやスイスのビオレーといった異端児の学者が現れました。現在では、そのような森づくりが、国土保全の面でも、生態系の豊かさ、そして生産性の面でも優れている、という大方の認識に至っています。

数年前、相棒のドイツのフォレスターと一緒に、日本のある地域の森林ワークショップに講師として参加しました。樹齢90年のスギやヒノキの立派な森でした。100年前にドイツで苦学し森林学の博士号を取得した本多静六氏が計画した共有地の森林でした。そこで森林の共同所有者さんたちや行政関係者といろいろ話しました。この森をどうしようか、と。相棒のフォレスターと私は、択伐的に利用しながら、恒続森にすることを提案しました。多くの所有者さんが賛成しました。一方で皆伐を推進する人たちも居て、議論が起きました。私たちは、皆伐の様々なリスク(土壌や生態系、長期的な生産性など)を説明し反対の意見を出しましたが、議論は平行線。フォレスターの相棒は、皆伐を強く求める1人にこう質問しました「あなたが皆伐を求める理由はなんですか」。その方の答えは「俺が植えたものは俺が全部収穫したいもん」

持続可能な森林業は、自然と次世代への「気配り」や「愛情」があって初めて成り立ちます。自然との同盟、世代間の契約です。

インターネットは人間の発明物?

いいえ、おそらくホモ・サピエンスが誕生する何千万年も前から、森林には、インターネットと類似のシステムがありました。ここ20年あまりの自然科学の研究で、その概要が解り始めています。

システムの名称は【Wood Wide Web】

生きている場所から移動できない樹木や植物は、キノコ(菌類)が土壌の中に張り巡らす菌糸のネットワーク(=光回線)を通して家族や親類、隣近所や仲間、競合やその他の生物たちと「交信」しています。

どれだけ密な回線網かというと、ティースプーン一杯の土のなかに数kmの菌糸網。樹木は根の先端(=ルーター)でこの光回線と接続しています。そして根は、樹皮の裏にある師管と導管(=LANケーブル)を通して樹木のソーラーパネルである葉っぱと結びついています。菌は樹木に、その時々の樹木の需要に合わせて、樹木が欲しいミネラル分のミックスを、土壌中からフィルタリング(調理)して与えます。その代償として、樹木は、ソーラーパネルで生産した糖分を菌に与えます。同じ目線のパートナーシップ。

菌糸網は、母樹が幼児や弱った仲間に養分を分け与える使者の役割も果たしています。また、樹木たちが共同で水不足や気候変動への対策を練るオンラインの戦略会議(=Zoom会議?)をするための、そして決めたことを迅速に共同で実践するための、安定した強固なコミュニケーションインフラでもあります。

樹木は、土壌だけでなく、空気を通しても、仲間や他の動物と交信しています。このWifiの信号の中身は数百種類あるフェロモンです。自分がキクイムシにやられたら、恥も外聞もプライドもなく、仲間に「俺は今やられた。おまえたち、気をつけろ。早く樹脂を生産して防御せよ」と迅速に信号を送ります。また、毛虫などの害虫にやられ始めると、それを食べてくれる鳥や昆虫に、ここに美味しい餌があるよ、とターゲットを絞った効果的な広告宣伝をし集客します。

このシステムWood Wide Webの使用料金や広告宣伝料金はありません。どのプレイヤーもそれで一儲けしようなどとは考えません。与えてもらったら返す、Gibe & Takeの原則で数千万年維持されています。

日本の森林にはとりわけ女性的な感性が必要

5月半ばより、ドイツのホームオフィスから日本の方々に向けて、オンラインセミナーを開催しています。初めての試み。自分のMacBookから、カメラ撮影、パワポ、ビデオを、地球の裏側にいる数十人の方々に個別に同時に送り、ライブでディスカッションするなど、10年前は考えられなかったことです。

セミナーのメインテーマは私の専門の森林業。

やってみて1週間、一番の収穫は、女性の参加者が半数近くいらっしゃることです。これまでのドイツでの視察セミナーや日本での講演会やワークショップでは、男性が8割から9割でした。オンラインなので、端末とネット回線さえあればどこからでも受講できるので、仕事や育児や家事の合間に、たくさんの専門でない女性の方々に参加いただいていること、とても嬉しく思います。

森林は地球上で人間の2000倍も長く存続している複合的な生命共同体であり、人間に生活の糧や活力や感動、インスピレーションを与えてくれます。そんな偉大で多面的なものだから、それを扱う人間には、最大限の配慮と繊細な感覚、多方面への気配りが要求されます。これらは女性的な感性です。

森林大国日本の森林は、湿潤な気候と豊穣な土壌に恵まれた環境にあります。一方で、複雑で急峻な地形と地質、繊細な土壌は、日本を頻繁に襲う嵐や大雨や人間による謝った開発行為で崩れやすく、だからこそ、森林が何千万年に渡る進化の過程のなかで構築してきた「複合的な多様性」による「強さ」を維持、創出していくことが森林にたずさわる全ての人に求められます。日本がもつ森林という世界の人々が羨むかけがえのない資産、「豊穣」であると同時に「壊れやすい」宝物を、未来に引き継いでいくには、より女性的な感性が必要です。

音楽と森の世界をつなげた偉人

「ツアーで一緒のとき、チャックは絶えず樹木のことを話す。時々、いい加減にしてくれ、と言いたくなるくらい。でも彼が林業にすごい情熱を持っていることは確か。そして彼は、その情熱でもって、地球環境のためにいくつかの重要な貢献をした」
ミック・ジャガー(Rolling Stones)

一流のキーボーディストとして、ローリングストーンズやエリック・クラプトン、ジョージ・ハリソンなどと一緒に音楽活動をしてきたチャック・リーヴェルは、アメリカ・ジョージア州のファームで、奥さんと一緒に合自然的森林経営を営む有名な森林業家で自然保護家でもあります。ヨーロッパの森林関係者との深い交流もあり、彼の著書はドイツ語にも訳されています。

下記は、森の世界と音楽の世界を繋げた彼が、名著「FOREVER GREEN」の中で書いている一節です:

「私たちの森林。その維持のためには、繊細なハーモニーが必要だ。それは、すべての奏者が同じメロディーを奏でるなかで生まれる。わずかな人間だけでは、私たちの森を救い、維持し、保護することはできない。木の保全育成家、木こり、フォレスター、製材工場経営者、環境保護家、民間の土地所有者、ハンター、動物愛護家、教師、手工業家、関係する市民、森林生産物と林業に携わる企業、すべてのプレイヤーが一緒にならなければならない。この楽曲では、ソロはやってはいけない。それをやるには、森は傷つきやすく、リスクが大きすぎる。私たちみんなが、私たちの森について学び、高い責任感をもって木を利用するプログラムを支援する努力をしていかなければならない。そうすることによってはじめて、後続の世代に素晴らしい森を遺すことができる。個々の木々、個々の森林は、独自の歌曲をもっている。私たちは、それらのメロディにしっかり耳を傾けなければならない。それらに耳を傾けるなかで、様々な森の秘密と素性が開かれていくとき、私たちは、少しでも時間をとって、木の下に座り、上を眺め、感謝の気持ちを持つべきだ」

豊穣であると同時に繊細な日本の森林にはまさにチャック・リーヴェルの森の哲学とコンセプトが必要です。日本の森林は繊細で多彩で美しいメロディを奏でるポテンシャルをもっています。一緒に編曲したい方、協奏したい方、募ります。

森づくりは道づくり

森林業にとってももっとも重要な資本は「土」です。ですがもう一つ重要な資本があります。それは性能のいい「道」のインフラです。

「土」も「道」も目立たない存在です。多くの人は、目に映りやすい「樹木」の大きさや、元気さ、種類に注目しがちです。ですが木が育つための欠かせない土台は「土」、森を合自然的に経済的に手入れ間伐するために欠かせない前提はいい「道」です。

土を守り育てるコンセプトや行為、いい「道」をつくるコンセプトや行為は、目立ちませんし、多くの人が知りません。日本が世界に誇る「新幹線」と同じです。新幹線の列車のデザインと性能には大きな注目が行きますが、その性能を最大限発揮でき、過密で精密な運行スケジュールを可能にする「線路インフラ」と「ロジスティック」のコンセプトとその品質は、ほとんど注目されていません。「新幹線」、と列車ではなく「線路インフラ」のネーミングがされているにも関わらず!

新幹線車両並みのスピードと快適さを提供できる列車は他の国にもあります。そのなかで日本の新幹線が世界から高い評価を受けているのは、ネーミングの通り、素晴らしいインフラがあるからです。

10年前から、日独合同で、いくつかの場所で、日本の豪雨にも問題なく耐えられる道が作られています。主流の林業政策とは異なり、日本の森林の道の規格からも外れる「新森道」を、計画作設することを支援していただいた、いまでも支援していただいている方々にこの場を借りて深くお礼を申し上げます。とりわけ初期の段階で「急峻で雨が多い日本では無理」「こういう広い道を作ったら森が壊れる」など、有識者や業界から多数の懸念や非難があるなか、「あなたたちの提案していることは多分正しいと思うから、信じてやってみますよ」と合理的理解と信念と勤勉さをもって鶴居村森林組合と一緒に実行された北海道庁の小笠原さん、それから岐阜県高山で、同様に信念と自然への理解と愛情をベースに、現在まで継続して「新森道」の推進をされている長瀬土建の長瀬さんに、特別な敬意を表します。

北海道鶴居村で2010年にできた日本最初の新森道
岐阜県高山で2012年にできた新森道

協生農法と恒続森施業

最近、ソニーCSLの船橋雅俊氏が研究実践する「協生農法」のことを知りました。従来の単一栽培による大地の砂漠化と飢餓の問題があるアフリカ数カ所で大きな成果をあげ、世界的に注文されている農法です。私も、ネットで公開されている「協生農法実践マニュアル」をダウンロードし、早速自宅の菜園で実験を始めています(近所のドイツ人のおばさんにまた「あなたのところの庭は熱帯雨林のジャングルみたいね」と皮肉られそうですが)。基本的な考え方と手法は、私が携わる森林業の「恒続森施業」とほぼ同じだったので、すぐに親近感が湧きましたし、理にかなっていること、成功することを、ほぼ確信しています。基本は、自然の複合性を包括的に理解し、自然と「共に」生産活動することです。

1)協生農法では、土を大切にし、絶えず土の上に植生がある状態にします。恒続森でも同様に、絶えず木がある状態で森を維持し、生産基盤である土を守り育てていきます。

2)協生農法では、多種多様な野菜や植物を混生させ生物多様性を創出させ、生態的な安定性を生み出します。恒続森においても、多様な樹種、多様な樹齢、多様な大きさの木々が混生した形を造り維持していきます。

3)混生させることによって、協生農法では、収穫期間を長く引き伸ばすことができて、絶えず何か収穫できるような状況が生まれます。また地下と地上の空間を多様な植生で立体的に埋めて効果的に活用できるので、面積あたりの生産性は、収益/維持コスト比で、伊勢の協生農園のデータで、従来の慣行農法の5倍という数字がでています(ただし著者に確認したところ、人件費はコストに含めていないということなので、科学的に誠実な比較ではありません)。恒続森も同様に、絶えず、どの世代も、大きな木を収穫できる状況にしておきます。また、様々な形状の樹種、大きさの違う樹種が混生し、立体的に地下と地上の空間を効率的に活用できるので、単一樹林よりも平均蓄積(ストック)を上げることができて、コストに対する収益比率も高くなります。

4)両方の手法とも、自然に敬意を払って(人間の科学的な理解がまだ隅々まで及んでいないミクロとマクロレベルの生態系の複合的な繋がりとネットワークにも)、絶えずしっかり観察し、人間は、自然が示す方向を受け入れ、自然に逆らわずに、必要に応じて「ソフトな方向付け」をしていきます。

「協生農法実践マニュアル」より

オンラインセミナーを開始します

これまで、現地の視察セミナーや講演会、ワークショップにて「直接対面」にて限られた方々に提供していたものを、ウェビナーにより「デジタル対面」にて、より多くの方々に安価に提供します。

通信環境の良い場所で、パソコンやタブレット、スマホで、気軽に会社や自宅や外出先からアクセスください。

ZOOMのウェビナーのシステムを使います。基本的に、視聴参加者のお名前は、他の視聴参加者の画面には表示されません

参加のお申込み&お支払いのマネージメントにはPeatixを使用します。お申し込み後に、Zoomの参加者事前登録URLを送ります。登録が終了すると、オンラインセミナーへの参加リンクが記載されたメッセージが自動送信されます。各セミナーは開始20分前に開場します。

別の参加&申し込み方法をご希望の方は、事前に個別にお問い合わせください。メールはこちらへ

下記は、公募型オープンセミナーの案内です。

テーマに関心をお持ちの方でしたら、一般の方からプロまで、どなたでもお気軽にご参加ください。動画写真ホワイトボードも効果的に使い、素人の方でも容易に理解・イメージできるように話します。レクチャーの後には、口頭による質疑応答の時間を設けます。聴講参加者のみなさまには、セミナー終了後にスライドのハンドアウトを配布します。ご質問、ご不明な点がございましたら、遠慮なくご連絡ください。メールはこちらへ

団体、企業などでご要望がありましたら、オーダーメイドにて、クローズなセミナーの開催にも応じます。ご希望内容、期日など、お気軽にお問い合わせください。メールはこちらへ

サステイナブルは気配り ー 森から建物まで  1)〜7)

 

1)持続可能な多様性! ー 多方面へ「気配り」する森林業

レクチャー 50分  質疑応答 30-40分  参加費:1000円/人

  • 「持続可能性」という概念は、ドイツの森林業の世界で約300年前に生まれた
  • 次世代への配慮と思いやりの心が、多方面への「気配り」のある森づくりを生む
  • 森林業とは? ー 「自然と共に」「循環の思想」「多機能性」
  • 土壌を守り育てる! ー 森林業のもっとも重要な資産
  • 欧州のフォーレスターが羨む森林大国日本の大きなポテンシャル
  • 「ソロ」ではなく「協奏」! ー ドイツやスイス、日本の実証事例とパイオニア

お申込みは、日時をご確認の上、下記のリンクをクリックください。Peatixの画面に移動します。

2020年 5月14日(木) 17:00-18:30   
2020年 5月16日(土)  16:00-17:30
2020年 5月26日(火) 20:00-21:30 

2) 森づくりは道づくり ー 持続可能で多機能な森林業を可能にする道インフラ

レクチャー 50分  質疑応答 30-40分  参加費:1000円/人

  • 自然に「気配り」した質の高い道のインフラが、生産性の高い持続可能な森林業を支える
  • いい道のインフラは、森林作業の安全性を向上させ、人の命を救う!
  • 多雨、急傾斜、複雑な地形、崩れやすい土質の日本の森林でも可能!
  • 「水」とどう付き合うか ー 集めない、加速させない、停滞させない、という3原則
  • グリーンインフラになる道づくりのディテール
  • 美しい森林道は、観光業と市民のレジャー・健康を支える!

お申込みは、日時をご確認の上、下記のリンクをクリックください。Peatixの画面に移動します。

2020年 5月19日(火) 17:00-18:30 
2020年 5月23日(土)  16:00-17:30
2020年 5月28日(木) 20:00-21:30 

3)人も森も守る! ー 森林作業の安全と土壌を保護する作業

レクチャー 50分  質疑応答 30-40分  参加費:1000円/人

  • 危険な仕事「森林作業」に必要な心構え ー 「敬意」「気配り」「謙遜」
  • マイスター(先生)が現場で徒弟(生徒)に教えることの大切さ
  • 防護装備 ー 鎧とスポーツウェアーのバランス
  • 人命救助が出来る道を起点に作業を考える
  • 土壌を保護する森づくりと作業システム

お申込みは、日時をご確認の上、下記のリンクをクリックください。Peatixの画面に移動します。

2020年 5月20日(水) 19:00-20:30 
2020年 5月24日(日)   15:00-16:30

4)木材の多様な地産地消 ー 多様性のある地域木材産業が地域を国を豊かにする

レクチャー 50分  質疑応答 30-40分  参加費:1000円/人

  • 木は「多様」、だから多方面への「気配り」がある多様な木材産業が必要!
  • 森林・木材クラスターは、地域経済を支える大きな柱!
  • 製材工場 ー 「気配り」力が問われる森と木材産業のつなぎ役!
  • 地域を国を豊かにする理想的な木材のロジスティック
  • 家づくり ー地域の零細企業が支える品質とイノベーション
  • 手工業のルネッサンス ー 家具、建具、木工細工
  • 木質バイオマスエネルギーはソリューションになるか?

お申込みは、日時をご確認の上、下記のリンクをクリックください。Peatixの画面に移動します。

2020年 5月27日(水) 17:00-18:30 
2020年 5月30日(土)   16:00-17:30 

5) サステイナブルな家づくり ー 自然素材を活かしたシンプルな健康省エネ建築

レクチャー 50分  質疑応答 30-40分  参加費:1000円/人

  • 木や土や石といった伝統的な自然素材の優れた性能
  • 「調熱」: 熱エネルギーを吸収し放出する自然素材
  • 「調湿」: 湿気を吸収し放出する自然素材
  • 自然素材と衛生 ー 防菌効果
  • 古建築を、安価に、エコに、アップビルディング!
  • シンプル イズ ベスト! ー 自然素材で、暖房も機械換気もいらない年中快適な家

お申込みは、日時をご確認の上、下記のリンクをクリックください。Peatixの画面に移動します。

2020年 6月2日(火) 17:00-18:30
2020年 6月4日(木) 20:00-21:30 
2020年 6月6日(土) 16:00-17:30 

6)森林浴 Waldbaden

レクチャー 50分  質疑応答 30-40分  参加費:1000円/人

  • 「森林浴」:日本生まれの言葉がドイツでトレンド
  • 森林業をするための美しく安全な道があるから、市民が気軽に日常的な森林浴
  • 気軽にアクセス可能な「気配り」の森林が、地域の大きな観光資源! ー 「黒い森」の事例
  • 世界からみた日本の森林の大きなポテンシャル
  • ハイブリット自転車で高齢者が森林で快適サイクリング
  • 森林で乗馬、ヨガ、狩猟
  • 「森の幼稚園」 ー 森林は絶好の学びの場

お申込みは、日時をご確認の上、下記のリンクをクリックください。Peatixの画面に移動します。

2020年 6月9日(火) 17:00-18:30 
2020年 6月11日(木) 20:00-21:30
2020年 6月13日(土) 16:00-17:30 

7)人間が森から学ぶべき共生の原則

レクチャー 50分  質疑応答 30-40分  参加費:1000円/人

  • 人間の2000倍長く存続し、人間の7000倍の質量を有する木の賢い生存コンセプト
  • Wood Wide Web
  • 木と他の生物による同じ目線のパートナーシップ
  • 植物が実践する迅速で誠実でオープンなコミュニケーション
  • 木は、次世代や弱者の仲間への配慮をしている
  • 環境に変化に対応し、みんなで一緒に行動する

お申込みは、日時をご確認の上、下記のリンクをクリックください。Peatixの画面に移動します。

2020年 5月22日(金) 19:00-20:30 
2020年 6月10日(水) 17:00-18:30
2020年 6月14日(日) 16:00-17:30

コロナ対策の最後の砦

コロナ対策の最後の砦である集中治療(ICU)。その体制の量と質が、現在、救命のカギとなっています。日本におけるICU体制の脆さとリスクは、数週間前から複数のメディアで報道されています。先進国のなかではかなり低いレベルで、人口10万人あたりICUベット数は5。また地域によって格差があり、ダントツに少ないのは新潟で1.4、岩手で2.7となっています。また高度な人工呼吸器(通常のものやECMO)を使用するのに必要な専門医の数も体制も不足しているようです。

https://www.jsicm.org/news/statement200401.html

https://www.jsicm.org/news/upload/icu_hcu_beds.pdf


私が住むドイツでは、集中治療体制は、幸運なことに世界トップレベルで、コロナの前に人口10万人あたりICU33ベットあり、ここ6週間あまりで約48に増やされ、うち人工呼吸器装置が使用できるベット数が約36あります。ICU1ベットあたりの看護師の数も規定で1人と決められています(日本の規定では1ベットあたり看護師0.5人)。
医療崩壊が起きたスペインやイタリアでは、ICUベットは10万人あたり8-9です。日本はその半分の非常に脆弱で「綱渡り的な」ICU体制でここ数週間やってきているのですが、下期にリンクする日本集中治療医学会の最新の統計を見ると、概ね持ちこたえており(いくつかの病院ではICUのオーバーキャパが起こったとの情報も他ではありますが)、4月27日をピークに人工呼吸器の使用(普通のものもECMOも)は減少しています。

https://covid19.jsicm.org/?fbclid=IwAR1IiKb9-Y80G5ZItGCnWjxRb21OWlZBevD0ZlmSHHPiXGdeuPZiGO4tXKo


安全な抗薬やワクチンが開発されるまでの間は、ICUのキャパを中心的な基準として様々な対策をしていくべき、という複数の専門家の意見に私は同調します。そう考えた場合、日本は非常に脆く少ないICUキャパであるということをしっかり受け止めて、より慎重で用心深い対策をやっていかなければならない、ということになります。これまで日本では、幸運なことに、コロナでの死亡者の数は、他の国と比べてかなり低く抑えられています。その理由や要因は解明されていません。ですのでまだ予断を許さない状況であると考えたほうがいいと思います。


医療現場で働いていらっしゃる方々に、多大な敬意と感謝の気持ちを込めて。

FOREVER GREEN


下記は、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンなど有名な音楽家と一緒に仕事をしてきたキーボーディストのチャック・リーヴェルが、彼が情熱を傾けるもう一つ職業分野である森林について、名著「FOREVER GREEN」で書いている一節です。【森林業】にとって大切なことを音楽家の感性で簡潔に表現しています。

「私たちの森林。その維持のためには、繊細なハーモニーが必要だ。それは、すべての奏者が同じメロディーを奏でるなかで生まれる。わずかな人間だけでは、私たちの森を救い、維持し、保護することはできない。木の保全育成家、木こり、フォレスター、製材工場経営者、環境保護家、民間の土地所有者、ハンター、動物愛護家、教師、手工業家、関係する市民、森林生産物と林業に携わる企業、すべてのプレイヤーが一緒にならなければならない。この楽曲では、ソロはやってはいけない。それをやるには、森は傷つきやすく、リスクが大きすぎる。私たちみんなが、私たちの森について学び、高い責任感をもって木を利用するプログラムを支援する努力をしていかなければならない。そうすることによってはじめて、後続の世代に素晴らしい森を遺すことができる。個々の木々、個々の森林は、独自の歌曲をもっている。私たちは、それらのメロディにしっかり耳を傾けなければならない。それらに耳を傾けるなかで、様々な森の秘密と素性が開かれていくとき、私たちは、少しでも時間をとって、木の下に座り、上を眺め、感謝の気持ちを持つべきだ」

世界各国で、意地や誇りや欲やエゴ、偏見や狭い視野がベースになった「ソロ」演奏がされています。一方で、森に、地球に耳を傾け、多様な人たちと一つのメロディーを「共奏」することを呼びかけ、実践を試みる人たちもいます。私は後者であり続けたい、欧州の人たちが羨む日本の豊穣な森を後世の人たちに遺すことに貢献したい、と思っています。