河川の近自然化の工事中

私が住んでいる街を流れる川で、近自然化の工事が現在進んでいる。

数日前に散歩中に撮った写真。

出来上がっている写真はよくあるが、工事中のはあまりないと思うので、ここに紹介。

9月半ばに森林とランドスケープのテーマで視察セミナーを開催するので、州行政の担当者と連絡を取って、案内を頼んでいる。

この地域の河川近自然化の担当トップは、30年間これを専門にやってきた知識、経験共に豊かな専門官。20年前、私は、フライブルク大学森林学部のランドスケープのセミナーで、河川近自然化の現地研修も受けたが、現場ではその専門官が案内説明してくれたと記憶している。

9月の私の日本人グループの案内は、その熟年のプロフェッショナルのもとで後継者として数年前から事業を担当している若手の専門家が対応してくれる予定。7月に彼と現場で待ち合わせて打ち合わせをしたが、とても謙虚で、「経験豊富な先輩について自分は今、色々学んでいる」「訪問者に説明するのは自分の勉強にもなる」と話してくれて、誠実な人柄が伺えた。

ここの近自然化の主要な目的は、生態系を豊かにすること、住民の保養空間を創出すること。川幅を広げるて遊水域を設けることはできない場所なので、洪水抑制には、わずかしか作用はしない。(水にブレーキがかかるので若干の効果はある)

最近、『公共善エコノミー』という中欧で評判の本を日本語訳する作業を一通り終えた。今後、校正、編集作業を経て、12月に日本で出版される予定だ。

https://camp-fire.jp/projects/view/605926

資本の増殖をシステム目標とする市場経済から、公共の福祉と幸福を追求する市場経済へ転換のコンセプト、具体的なツール、先行事例を描いた本だ。公共善エコノミーは、この10年で社会的な運動にも発展し、大きなうねりになりつつある。民間企業も地域行政も参加している。

河川の近自然化は、結構な費用がかかる事業である。しかし直接的な経済的利益が地域住民や企業、団体にもたらされるものでもない。資本主義の論理ではなく、まさに公共善のための事業である。

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投稿者: Noriaki Ikeda

日独森林環境コンサルタント 南西ドイツを拠点に、地域創生に関わる様々なテーマで、日独の「架け橋」として仕事をしています。 ・ドイツ視察セミナー ・日独プロジェクトサポート ・日独異文化マネージメントトレーニング

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