ヤギのルネッサンス(EIC エコナビ・コラム4)

自給型の小さな農業が主流であった20世紀前半は、多くの南ドイツの農家はヤギを数頭飼って、そのミルクを自分で飲んでいた。しかし戦後、経済復興に伴い農業が合理化され、自給型から販売型へ転換すると、ヤギの頭数は激減した。農家は乳牛を増やし、ミルクを町の工房や工場に販売するようになった。
牛の乳量は当時、1日約20リットル、ヤギは4リットル程度。今日では、品種改良や餌の高栄養化により牛の乳量は1日50リットルを超える。生産効率も販売量も圧倒的に牛が有利である。「ヤギは、貧乏人の牛」と50年代当時言われるようになった。ヤギミルクは、街で牛乳を買えない貧乏人が自分で絞って飲んでいるもの、と。
しかしここ20年あまり、ヤギの乳製品が再び注目を浴び、生産量が増加している。ヤギミルクは、牛乳に比べ、ビタミンやミネラル分が多く、低カロリーで、消化がいい。またチーズは独特の香りがある。「健康」で「グルメ」な乳製品、と過去のイメージからガラリと変わった。価格も牛の乳製品より1.5倍から2倍高い。ヤギのルネッサンスが起こっている。

デザイナーがヤギチーズ農家として起業

手工業的チーズ工房
手工業的チーズ工房

シュヴァルツヴァルト南西部の麓のTenningen村の工業団地に、Monte Ziego(モンテ・ツィーゴ)という社名のチーズ工房がある。周辺10数件のエコ農家からヤギミルクを仕入れヤギチーズを手工業的に生産し、スーパーなどに販売している。オーナーのBuhl(ブール)氏は、元画家・デザイナー、ベルリンでディスコの内装デザインの仕事をしていた。2000年、シュヴァルツヴァルトのシュッタータール村に引っ越すと、そこで2匹のヤギを飼い、「Demeter」のエコ認証を取り、チーズ作りを始めた。大きな生活転換の理由は、単純にヤギ飼育とチーズ作りに以前から興味があったから。チーズ作りのノウハウは自学し、独自のレシピを開発し、生産、直売をした。彼のチーズは、ニッチ製品として通の間で評判を呼び、数年の間にヤギの数も2頭から40頭に増えた。
同時に「エコ」と「健康」に関する消費者の意識の高まりを受け、一般小売市場でのヤギの乳製品の需要も高まっていった。Buhl氏は、生産量に限りがある一農家のヤギチーズ生産・直売を脱皮し、契約農家からミルクを仕入れ、大きな工房でチーズを生産し、スーパーなどに販売する事業転換を決断。2010年に180万ユーロの投資で最新設備のチーズ工房を建設し、一般小売市場向けの生産を開始する。工房が大きくなってもBuhl氏は、品質を求め手工業的な生産にこだわった。大量生産の工場生産のチーズとは風味や食感が違う。エコ認証を受けたミルクによる手工業的生産であるため、量産品と比べ価格は2倍以上であるが、市場での人気は高く、生産量は、年々30%程度の急成長を遂げた。

高い乳価を設定し、酪農家の転換を促す

市場からの高い需要に応えて生産量を伸ばすためには、ヤギミルクを供給する契約農家を増やさなければならなかった。当初、数件の農家から始めたものが、現在12件の契約農家に増えた。一件あたり20匹から200匹のヤギを飼っている。全てDemeterのエコ認証を受けている。
社長のBuhl氏は、ヤギミルクの仕入れ単価を、当初から牛乳の2倍以上に設定し、周辺の乳牛酪農家に、牛からヤギへの転換を促して行った。乳牛酪農家は、ヨーロッパでの牛乳の過剰生産とそれに伴う乳価の低迷により、ここ10年以上、経営が困難な状況に陥っている。農家が牛乳工場に支払ってもらえる乳価は、ここ数年1リットルあたり20~30セント(26円から39円)で推移している。普通に経営していくためには40セントは必要だと言われている。酪農家は、EUの直接支払い補助金に頼ってなんとか経営を続けている状況である。過去数年で小さな乳牛酪農家の多くが、経営的に厳しくなり牛乳生産を辞めてしまった。
ミルクを高く買ってもらえるヤギ酪農に転換することは、牛乳価格の低迷で苦しむシュヴァルツヴァルトの小さな農家が経営を継続するための将来の展望でもある。現在、Monte Ziego社が農家に支払う単価は1リットル86セント。ドイツでもっとも高い買取価格である。「意図的に一番高い価格にして、それによって転換を促したい」と社長のBuhl氏は地方紙のインタビューで話している。ただしヤギは、1匹あたり1日4リットルと、牛1頭の10分の1の量しか生産しない。また冬場は乳量が少なくなる。よって農家の決断はそう簡単ではない。
観光保養地でもあるシュヴァルツヴァルトの美しい農村景観は、森林と牧草地と点在する農家の建物の3要素で成り立っている。酪農、林業、民宿業と複合的な経営を行っている家族経営の農家は、農村景観と観光業のために欠かせない。Monte Ziego社は、ヤギチーズを生産することによって、シュヴァルツヴァルトの農業と文化、景観を維持発展することに寄与することを企業目標の一つとしている。体の小さいヤギは、牛が立てない急斜面の牧草地の「景観管理(草刈り)」もしてくれる。

手工業的なエコ製品と乳清のエネルギー利用

フレッシュチーズ
フレッシュチーズ

ハーブ入りフェタチーズ
ハーブ入りフェタチーズ

現在、12の契約ヤギ農家の合計約12,000匹のヤギから年間80万リットルのヤギミルクがチーズ工房に出荷されている。工房では、20種類以上のヤギチーズが生産され、約20人の従業員が2交代で働いている。オリーブやチリを入れたフレッシュチーズや、バーベキューで焼いて食べるフェタチーズなどが人気の商品である。工房の責任者でチーズマイスターのバルマイヤー氏に中を案内してもらった。最新設備であるが、型をひっくり返したり、チーズの上にハーブを撒いたりする作業など、きめ細かに、人の手によって行っている。「品質の高さと多品種は、手工業的な生産だからできる」と誇りをもってマイスターが話してくれた。製品は、過去数年で様々な賞を受けている。

乳清バイオガスタンク
乳清バイオガスタンク

エコ製品を製造しているこの工房であるが、製造に必要なエネルギーにおいても「エコ」を追求している。工房の屋根には最初からソーラーパネルを設置しエコ電力を生産、2014年には、製造の過程で生じる乳清(ホエー)を使ったバイオガスエネルギー装置を設置し、世界初のゼロエネルギーチーズ工房を達成した。乳清(ホエー)とは、チーズを作る際に、牛乳から乳脂肪やガゼインというチーズの原料が取り出されたあとの残りの水溶液である。多くのチーズ工房や工場では、これが廃棄物として処理されているが、高たんぱく質、低脂肪で、栄養価、エネルギー価は高く、食品、豚の餌、化粧品などとして利用されているケースもある。Monte Ziego社は、この副産物をエネルギーとして利用することに決めた。年間1,170m3のホエーから、4万8,000m3のバイオガスが生産され、それが電気出力18kW、熱出力36kWのタービンで燃やされ、工場での電気、熱源(冷蔵庫も)として使用されている。熱は自給できており、電気は足りない時間帯はエコ電力会社の電気を購入しているが、バイオガス装置が動いていて工房が生産していない夜間は余剰電力を売っているので、年間収支ではプラスになっており、だからゼロエネルギー工房である。

現在この工房は、隣の空き地に、粉ミルクを製造する工場を建設している。赤ちゃん用の健康なエコの粉ミルクとして販売される予定である。隣のスイスの販売業者からの需要に応えたものだ。現在の数倍の量のヤギミルクが必要になるが、それは、納入範囲を現在の50km圏内から300km圏内くらいに広げて対応する予定だそうだ。

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健康な省エネ建築(5) 調湿

建物内の湿気は、カビや躯体腐れを発生させる原因であり、しっかりとしたマネージメントができていないと、人間の健康被害や建物の損傷を生みます。

湿気は、空気中の水蒸気です。空気が含有することができる最大水蒸気量は、温度によって変わります。温度が高いほど、空気はより多くの水蒸気を含有することができます。例えば、気温が20度の時は、空気は1m3あたり、最大17.3gの水蒸気を含有できます。0度になると、それが4.8gになります。この最大値を飽和点といいます。この気温によって異なる飽和点を基準値にした湿度を「相対湿度」といいます。同じ水蒸気量でも、気温が低いほど相対湿度は高くなります。水蒸気の量が飽和点を越えると(相対湿度が100%を越えると)、余剰分が水滴になります。例えば冬場、建物内の暖かい空気が、外に移動する際に冷やされると、飽和点を超えた余剰水分が水滴になり、建築マテリアルに付着します。これが「結露」と呼ばれる現象です。

湿気(水蒸気)は熱と同様に移動します。移動の原則は、下記の3つがあります。

1)拡散

水蒸気は、外部からの力が働かなくとも、水蒸気圧(相対湿度)が高いところから低いところに移動し、平衡状態に近づいていきます。この現象を拡散といいます。これは気体と個体間でも起こります。

ただし個体には、水蒸気を透しやすいものと透しにくいものがあります。この性質は、

水蒸気拡散抵抗係数μ=空気の透湿率(kg/msPa)/個体の透湿率(kg/msPa)

で表されます。μ値が低いほと、その個体(建材)は水蒸気を透しやすいと言えます。例えば、麻や綿や羊毛のμ値は1-5 、木質繊維材や石膏ボードも5-10と低く、これらは水蒸気を透しやすい建材です。無垢の木材はμ値=40と空気の40倍の水蒸気拡散抵抗値あります。レンガは50-100、コンクリートは70-150あります。

湿った建材が、空気の流れがなくとも、時間が経つと乾いていく現象は、この拡散の法則に基づいています。

2)対流

空気は温度差によって流れが発生しますが、この空気の流れによって湿気は移動します。

代表的な例が、「隙間風」です。建物の気密性が低い箇所で起こります。隙間風(対流)は、拡散より遥かにたくさんの湿気を移動させます。例えば、暖かい室内の空気が、建物の隙間箇所での対流で外部に移動する際、建材の温度が低いと、相対湿度が高くなり、飽和点に達すると水滴となり、内部の建材を湿らせ、腐れ損傷の原因になります。また、寒い地域では、湿った内部建材が、冬場凍結することもあり、そうなるとひび割れが起こったり、氷によって湿気の拡散が遮断されてさらに水分が溜まり、さらなる損傷をもたらすこともあります。

3)毛管現象

水は、狭い隙間や細い管に、重力に逆らって引きつけられる(吸着し吸収される)性質を持っています。

多くの建材には微細な孔があり、建材の表面にある孔は外気に向けて開かれています。孔の直径が0.1mmより小さく、それらが管路で繋がっているものを「毛管」と呼び、毛管が豊富な多孔性のマテリアルほど、水分を吸着させ吸収する力が高くなります。毛管による湿気の移動は、基本的に拡散のそれより遥かに大きいです。

吸湿と放湿による調湿

室内の建材は、室内の相対湿度が高いときに、拡散と毛管現象に基づいて、室内空気から水蒸気を吸収し(=吸湿)、室内の相対湿度が低くなると、室内に向けて水蒸気を放出(=放湿)し、室内の湿度を調整(=調湿)する機能をもっています。基本的に、拡散抵抗係数が低く、毛管現象が起こりやすい多孔なマテリアルほど、その調湿機能は高くなります。下記は、フラウンホーファーIRB出版(2012年)の書物のなかの各マテリアルの吸湿性能です。室温21度の状態で、相対湿度を50%から80%に上げた際の、24時間後の吸湿度を示しています。伝統的なマテリアルである土や木が高い調湿機能を持っていることがわかります。

土(粘土質):         210 g/m2

トウヒ材(表面かんな仕上げ): 70 g/m2

土塗り壁(Illit-Semektit):    65g/m

気泡コンクリート :                   55g/m2

石灰-セメント塗り壁:                    45g/m2

石膏塗り壁:                                 35g/m2

コンクリート B25、レンガ:        25g/m2

湿気による建材のカビや腐れの問題は、断熱と気密に偏重した省エネ住宅や省エネリフォームの普及の発展段階で助長されてきました。

蓄熱性の低い断熱材の利用、透湿、調湿性能の異なるマテリアルの組み合わせ、気密、防湿シートやテープの使用、ヒートブリッチを起こす設計ミスや施工ミスから来ているものです。問題を解決するために、機械換気(強制換気)が導入されましたが、その使用がさらなる健康上のリスクも生み出しています。

解決策のヒントは、数百年、もしくは数千年実証されている伝統建築の中にあります。蓄熱と調湿に重きをおいたマテリアルの組み合わせです。気密テープもシートも使用することなく、機械換気も使用することなく、蓄熱と調湿性能の高いマテリアルの組み合わせで、現代に求められる断熱と気密性能、空気交換機能を達成している事例があります。

健康な省エネ建築(4) 窓と太陽光

建物の窓の第一の機能は、室内に光(太陽光)を取り入れることです。

太陽光は、人間の健康にとって欠かせないもので、セロトニン(幸せホルモン)とメラトニン(睡眠ホルモン)の生成、分泌、調節作用に働きかけ、脳と体の覚醒、精神の安定に寄与します。

窓は、省エネの観点では、太陽の熱エネルギーを取り入れる機能もあります。窓から入る太陽放射によって、壁や建具が熱を帯び、それらが室内に熱を放射(輻射)します。冬場の自然の熱源で、これをうまく生かすことで暖房コストを抑えることができます。夏は、部屋を涼しく保つため、太陽放射を室内に入れないように、庇(ひさし)やブラインド、シャッター、カーテン等で、遮光を行わなければなりません。

ただし、断熱の観点では、窓は、壁材より断熱性能が低く、室内の熱が外に出て行きやすい弱点の箇所でもあります。だからこそ、ここ数十年、窓の断熱性能をより高くする商品開発とその普及が進みました。ダブルやトリプルガラスのユニットで、断熱性能強化のために、密閉構造の中間層(ガラスとガラスの間)にはアルゴンなどの希ガスが注入され、遮熱性能を高めるためにガラスには特殊な金属膜コーティングがされた、高断熱窓です。省エネ住宅のスタンダードになっています。

高断熱窓の普及はしかし、窓の第一の機能である、太陽光の取り入れを一部制限してしまっています。

太陽光は電磁波ですが、人間の目が知覚できる波長は、380 nm(ナノメーター)の紫外線の領域から、紫、緑、黄色、オレンジ、赤の領域と来て、780 nmまでです。

複層ガラスで、間に希ガスが注入され金属膜コーティングされている高断熱窓は、従来の1枚ガラスの窓に比べ、10%から20%くらい、光透過性能がそもそも落ちます。そのなかで、できるだけ「明るく」するために、人間の目の感度が一番高い、可視光線領域の真中である550 nm(黄緑の部分)の波長の光をもっとも取り入れるように製造開発されたガラスが、ほとんどの高断熱窓で使用されています。

太陽光は、人間の脳と体の覚醒と、精神の安定に大きな影響を与える、健康上大切な要素です。人間の目の感度が一番高い部分の波長の透過に照準をあてたガラスを使用することは、最適な解決方法のように思えます。しかし、最新の医学の研究から、可視光領域の低い波長の部分、波長460 nm(青色)領域の光が、セロトニン(幸せホルモン)とメラトニン(睡眠ホルモン)の生成、分泌、調節作用に大きな意味をもっていることが判っています。高断熱窓の多くは、紫外線から青色の波長の光の透過性能が低く、それが、特に日射量が少ない冬場、鬱症状や集中力不足など、健康障害の原因の一つになっていることが論じられています。また紫外線は浴びすぎると肌によくないですが、紫外線がバクテリアや菌を殺す殺菌作用があり、適度に室内に取り入れることの重要性も指摘されています。

また、高断熱窓が必要かどうかについて、物理の原則に基づく重要な指摘もあります。

普通のガラスマテリアルは、室内の壁や家具や人から放射(輻射)される熱(赤外線や遠赤外線)を透過させない性質を持っています。よって、対流式ではなく放射式の暖房システムの家であれば、高断熱窓は必ずしも必要ではありません。複層断熱窓が市場に出て来た80年代以前に中央ヨーロッパで普及していた、箱型二重窓や、ダブルフレーム複合窓(一枚ガラスのフレームが2つ組み合わされ一体になったもの)が、とりわけ古建築の修復や健康住宅で、見直されてきています。これら伝統的な窓は、現代の技術で断熱性能も高まり、静かなルネッサンスが起こっています。断熱性能や遮熱性能を上げるための希ガスも入っていない、金属膜のコーティングもしていないので、人間の心身のバランスにとって大切な紫から青い波長の光も十分に取り入れます。また、ガラスとガラスの隙間が大きい箱型二重窓やダブルフレーム複合窓は、多くの場合、遮音の観点で、高断熱窓より優れています。

健康な省エネ建築(3) 放射熱

省エネ建築の中心的な課題は、「熱」をうまく効率的にマネージメントすることです。

では「熱」とは一体なんでしょうか?

熱とは、物理学的には、簡単に言うと、「分子の運動エネルギー(=分子の振動)」のことです。

熱は、物質間で伝達されます。基本的に温度が高い物質から低い物質へ伝達され、そのプロセスには、「伝導」「対流」「放射」の3種類があります。

熱伝導とは、

個体内部、もしくは接触している個体間、さらには個体と静止している流体(液体・気体)間で熱が伝わる現象です。

熱伝導とは、個体において、分子の位置自体は移動することなく(静止)、分子の振動(=熱エネルギー)だけが隣接する分子に伝搬されていくことです。

断熱材の性能の基準になっている熱伝導率(W/m・K)は、この現象における断熱材内の熱の伝わり度合いを示しています。

熱対流とは、

分子が自由に動くことができる水や空気のような流体(液体・気体)において、分子の移動によって熱が運搬される現象です。流体は熱を持つと膨張し軽くなり上昇し、熱を失うと収縮し重くなり下降します。この流体の温度差によって起こる対流を自然対流といいます。一方、外部からの動力(風など)によって起こる対流を強制対流といいます。

熱放射(輻射)とは、

熱エネルギーを持った物質が放つ電磁波のことです。電磁波とは、空間の電場と磁場によって形成される波(波動)で、代表的なものは光やX線、レーザー、テレビやラジオの電波などが挙げられますが、熱放射もこれと同類です。電磁波は、物質のない真空でも移動します。放射による熱伝達とは、電磁波が分子にあたり、分子に運動エネルギー(=熱)を与えることです。

放射の代表例は太陽光です。超高温の太陽は強力な電磁波を発していますが、それが真空の宇宙空間を通って地球に降り注ぎ、人間の体の細胞に吸収され、分子の運動が起こり、人間は熱を感じます。

熱エネルギーを持った全ての物質は放射熱(赤外線)を発します。人間の体も、壁も家具も。

伝導対流は、温度差媒介となる物質の接触と移動によって起こります。熱力学の理論です。

一方、放射は、温度差は必要とせず、放射するマテリアルの絶対温度(K)に由来し、媒介となる物質を必要としません。こちらは量子力学の理論です。

室内の熱のマネージメントの重要な部分を担う冷暖房機器。その多くは、対流放射の両方の原理を同時に活用していますが、どちらの比率が高いかによって、対流式放射式に分類されます。

対流式の代表例は、エアコンや放熱器(ラジエーター)です。エアコンは、外部動力(ファン)と温度差による自然対流を、放熱器は自然対流を利用しています。

放射式の暖房システムとしては、壁暖房、蓄熱ストーブ、赤外線ヒーター、床暖房などが挙げられます。ただし床暖房は、室内の上下で温度差を生じさせてしまうので、対流の割合も比較的多く(40%)、放射式のカテゴリーに含めない場合もあります。

人間の健康、快適さ、省エネの観点でこの2つを比べる、放射式が明らかに優っています。

空気という媒体を使って、温度差で熱を移動させる対流式においては、空気が動くので、室内の埃や有害物質が舞い立てられ、また室内の温度差が生じ、人間の健康に悪影響を与えます。

一方、電磁波(遠赤外線)で体の内部を温める放射式の場合は、熱の移動に空気という媒介を必要としないため、低い室内温度で高い体感温度をもたらし、壁暖房や蓄熱ペチカストーブなどのような横からの放射熱の場合は、空気はほとんど動かず静かで、室内の空気の温度差もほとんど生じません。

空気を温める必要がある対流式のラジエーターには60~70度の温水が必要ですが、その必要性がない放射式の壁暖房は25度前後の温水で足りるので、省エネの観点からも有利です。

放射熱は、暖房だけではありません。太陽の日射も放射熱です。これもうまく取り入れることができれば、さらに省エネにつながります。この太陽と暖房の放射熱をうまく効果的に活用するための前提は、躯体の外側にも内側にも蓄熱性能の高いマテリアルが使用されていることです。

健康な省エネ建築(2) 蓄熱性能

ここ数十年、省エネ建築においては、「断熱性能」を中心的な指標として、技術開発と設計、建築が行われてきました。

断熱性能を表す指標はU値(熱貫流率)

単位は、U値=W/m2・K

定義は「室内外で1度の温度差があるときに、対象になる躯体(壁や窓や屋根)1平米あたり1時間に通過する熱量」です。

U値は、躯体システムを対象にしたものですが、躯体システムの構成要素になっている個々のマテリアルの断熱性能は、λ値(熱伝導率)= W/m・K で表されます。

U値やλ値が低いほど、その躯体システムやマテリアルが「熱を伝えにくい(=断熱性能が高い)」ということが言えます。例えばパッシブハウス認定を受けるためには、壁のU値が0.15 W/m2・K 以下、窓は0.8 W/m2・K 以下でなければいけません。

U値が低い(=断熱性能が良い)建物は、冬場、中で暖まった空気が外に逃げにくく、夏場、外の熱気が中に侵入しにくいので、冷暖房の需要を抑えることができます。

しかし、U値(断熱性能)以外に冷暖房の需要に大きな意味があるものがあります。

それは「蓄熱性能」です。これには「容積比熱」という専門用語が用いられますが、

単位は、容積比熱=kJ/m3・K

定義は、「1m3の物質の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量」です。

容積比熱が高いほど、蓄熱性能が高いと言えます。

蓄熱性能が高い建材が使われている建物は、「冷えにくく、暖まりにくい」と言えます。冬場は、日射や暖房で一度暖まった蓄熱建材が、暖房を切ったあとでも室内にゆっくりと熱を放射し、冷えるのを抑え、夏は、蓄熱建材が、暖かい室内の熱を吸収し、室内の温度上昇を抑え涼しく保ちます。蓄熱建材は、温度の上下変化を緩やかでゆっくりにし、冷暖房の需要を抑え、省エネに繋がります。

建材のなかには、

①断熱性能が高いが、蓄熱性能が低いものがあります。グラスウールやロックウール、EPSなど、軽量の断熱材です。

②逆に、断熱性能は低いが、高い蓄熱性能があるものがあります。代表的なものはコンクリートやレンガ、粘土など、重量のあるものです。

③断熱性能が高く、ある程度の蓄熱性能も持ち合わせているものがあります。セルロースファイバーやウッドファイバー、麻断熱材です。

④比較的高い断熱性能を持ち、尚且つ蓄熱性能が高いものがあります。それは木材です。

省エネ建築の熱のマネージメントにおいては、断熱、蓄熱をどのようなバランスで組み合わせるかがポイントです。

例えば、軽量の断熱材を使った躯体と、重量の蓄熱断熱材を使った躯体で、U値が同じであっても、蓄熱性能が高い後者が「冷えにくく、暖まりにくい」ので、実際の熱需要は低くなります。

ここ数十年、省エネ建築の世界では、断熱性能(U値)を中心的な指標とし、それに重きを置いた建築が推進されてきました。

省エネ建築推進の代表格であるドイツパッシブハウス研究所のウェブサイトでは、パッシブハウスの5大原則として、①躯体の断熱 ②断熱窓 ③熱交換式の機械換気 ④気密 ⑤ヒートブリッチがないこと、が謳われています。

「蓄熱性能」は挙げられていません。

一方、伝統建築物の多くは、蓄熱性能が高い部材で躯体が作られています。

断熱性能(U値)に偏重した省エネ建築が普及するなかで、忘れられていた伝統建築物の良さを、エネルギーだけでなく、総合的な観点で見直し取り入れる動きも増えています。

住宅建設においては、本来、エネルギーを節約することが第一の目的ではありません。

住宅は人間の生活空間。住む人の健康と快適性が優先されるべきです。その上での省エネです。

よって、エネルギー性能だけでなく、無害なマテリアル、人間の体に優しい放射(輻射)熱、調湿性能、遮音性能、消臭性能、殺菌作用、有害電磁波防護作用、可視光の取り入れなど、総合的に考慮して建材を選び組み合わせることが大切です。そのヒントの多くは、蓄熱性能の高い自然のマテリアルを適材適所に使用している伝統建築の中にあります。

健康な省エネ建築(1) 機械換気を使わないソリューション

ここ数十年、省エネ建築において「高断熱」「高気密」が推進されていますが、これによって新たな課題が生じしました。それは「換気」です。

人間は、生きるために、絶えず「新鮮な空気(酸素)」が必要になります。また建物内での人間や動植物の呼吸で排出される二酸化炭素や、キッチンやバスルームで生じる「水蒸気」をしっかり外に出すことも必要です。室内で水蒸気濃度(相対湿度)が高くなると、結露が起こり安くなり、カビが発生し人間の健康を害するからです。さらには、室内の家具やフローリングや壁に一般的に使用されている塗料や接着剤などから人間の健康にとって有害な揮発性有機化合物(VOC)が放出されますが、それも換気によって外に出す必要があります。

上記のように、建物の換気には「酸素の補給」「水蒸気の外部排出」「有害物質の外部排出」という3つの目的があります。この目的と機能は、断熱・気密レベルが低い建物では、壁や窓の隙間からの自然換気と1日2回程度の窓の開閉で満たされますが、隙間がほとんどない高断熱、高気密の建物では、十分な換気をすることが難しくなりました。そこで登場したのが「機械換気(=強制換気)」です。今日の省エネ建築においては、熱のロスを少なくする熱交換式の換気装置をつけることがほぼあたり前になっています。

機械換気システムはしかし、装置内部、とくにダクト内に菌やバクテリアが発生するリスクを内包しています。いくつかのヨーロッパの国では、この問題意識から、プロによる年に一回の除菌作業が衛生上義務付けられています(これには普通の一軒家で年に1000ユーロ前後のコストがかかります)。高断熱と高気密に重点を置いた省エネ化が実践されるなかで、人間の健康上のリスクが高くなり、それを解決するために追加で機械が必要になり、しかし、その機械の使用において新たな健康上のリスクと追加コストが生じています。一つの問題を解決するために対策をしたことが、新たな問題を生み、さらなる対策が必要になっています。

機械換気の是非、メリット、デメリットに関しては、様々な議論や意見がありますが、まず最初に私が問いたいのは、省エネ建築において、機械換気を使わずに健康で省エネな住環境を創出できるシンプルな解決策はあるのか、ということです。一番いい解決策は、問題を内包していることをやらずに済ませることだからです。

全体のなかで少数ですが、解決策は既に存在しています。

それは、防湿気密シートやテープ等を使用せず、躯体調湿機能が高い「木材」や「土」「植物繊維」「羊毛」といった自然のマテリアルを使う、有害物質を含む塗料や接着剤を使用していない家具や建具を揃えるというソリューションです。換気は、窓のスリット換気や、窓の自動ドレーキップ機能などで、ドイツ工業規格で定められている「最低限の換気(普通の1世帯住宅で換気率0.15-0.2回/h)」の基準は満たされてます。

スイスアルプスの麓で、機械換気も暖房も要らない建物!

例えば、スイスのマッターホルンの麓、標高950mのZweisimmen村で2014年に建築家Schär氏によって建設された5階建の木造オフィス+住居。構造壁として、金具も接着剤も使用しないオーストリア・トーマ社の分厚い無垢材クロスパネル「Holz100(ウッド100)」を使用し、床天井は、木の梁とコンクリートプレートとコルクと圧縮粘土プレートという組み合わせです。冬寒いスイスアルプス地域であるにもかかわらず、この建物には、暖房設備も機械換気もありません。断熱性と同時に高い調湿性と蓄熱性を持ったマテリアルの組み合わせに、冬場の採光と夏場の遮光を緻密に計算した設計で、不可能と思えることを実現しています。これまでの計測で、室内の気温が冬場18度を下回ったことも、夏に25度を超えたこともない、ということです。建設費は、延べ床面積520平米で85万ユーロ、平米あたり1634ユーロと、普通の省エネ住宅よりだいぶ安価です。人件費がドイツの1.5倍はあるスイスで!

我買う、故に我あり

我買う、故に我あり

北イタリアのマジョーレ湖で家族で夏の休暇を過ごしています。日常の喧騒から離れて、疲れを癒したり、じっくり物事を考えたり、本を読んだりする時間でもあります。

昨日、浜辺で、読みかけだったドイツの有名なジャズ評論家ベーレント(故人)の本を手に取り、目に入ったタイトルの節を数ページ読みました。下記の引用は、その節の核心にあたる1文です。

あらゆる活動を経済的に貨幣に変換して価値づける私たちの傾向は、人間の尊厳を低下させ、ヒューマニティ(人間性)を低下させ、文化や文明を麻痺させ、「価値観」を「商品」に格下げし、「存在」を「我買う、故に我あり」に還元してしまっている

お金に(お金だけに)舵取りをされている傾向。日常生活、仕事、学校、コミュニティとあらゆるところで、言えることだと思います。

再生可能エネルギーの分野でも言えることです。

地域分散型の地域に価値を生み出す、地域の文化や生活や景観や自然と調和し統合した再エネ事業は、持続的に、人と地域を豊かに幸せにしていくでしょう。そうでない「経済」という狭い視点だけの事業は、持続可能ではありません。

将来を担う世代 (DOYU IWATE 2018年9月号)

8月初めに、愛媛県の上浮穴高校の高校生10名と引率の先生3名が、シュヴァルツヴァルトに森林業と木材に関する研修に来てくれました。私にとっては、久しぶりの10代の若者たちのグループで、しかも私の専門分野がテーマだったので、モチベーションが湧き、若いエネルギーももらうことができた充実した6日間でした。

上浮穴高校は、愛媛県の松山市から南に40kmくらい、四国山脈の麓に位置する林業が盛んな久万高原町(くまこうげんちょう)にあり、希少な「林業科」をもつ高校です。卒業生は、地元で林業事業体に就職、もしくは大学や専門学校に進学しています。

自然が豊かな場所ですくすくと育った素直で陽気で、高い自己管理能力と社会性をもった生徒達でした。引率の先生方も、生徒たちを優しく見守る、背後からサポートする、というスタンスで、私としても気持ちよく視察プログラムを遂行することができました。

シュヴァルツヴァルトの持続可能な森林業の現場で、「林業」と「森林業」の違い、森林の「国土保全機能」や「レクリエーション機能」「木材生産機能」を、統合的に扱う森づくり、そのために必要な「質の高い路網」、単一樹林を混交の複層林に変えていくための「将来木施業」などを、森林の現場実習で、現地森林官がわかりやすく解説しました。危険な仕事である森林作業に必要な「心構え」や「防護装備」についても実際の作業や現物を見せて説明しました。生木を使った木工ワークショップも行いました。フライブルク市の環境共生の街づくりに関する研修も行いました。

内容的に大人向けの視察セミナーと同レベルのものでしたが、若く好奇心がありオープンマインドな愛媛の高校生達は、集中力を絶やすことなく、自発的に質問もし、有意義な研修だったと思います。

生徒達は、これから日本の将来を担う世代。わずか6日間でしたが、彼らがこれから自分のペースで成長し、有意義な人生を構築していくための、持続可能な社会を構築するための、いくつかのアイデアやヒント、勇気を与えることができた視察セミナーであったことを願っています。

幼樹や若木が成長するためには、樹種や個体特性に応じて「スペース(=光)」が必要です。しかし、気温の変化や極端な日射や雨風を緩和する「大人の木(母樹)による保護」も必要です。個体別の適度な成長スペース、適度な保護。人間も同じだと思います。

 

ドイツの演繹的モノづくり (DOYU IWATE 2018年8月号)

明確な目標を定め、現在の立ち位置と与えられている枠組みを確認把握し、目標に効率的にたどり着くための道筋(プラン)を作成し、新しいモノをつくる。

これは、ドイツの伝統的なやり方で、強みであり、そこから数々の革新や発明品が生まれています。ドイツの高い技術と強い経済力を支えています。

日本では、細部に渡る知識と技術を習得し、経験を積み上げたうえで、その結果として一つのいいモノを作り上げる、という「経験的手法」の伝統がありますが、ドイツでは、基礎と原理原則の知識をベースに、経験のない分野で新しいモノをつくる「演繹的手法」の訓練を、小学校のころから受けます。

職人教育はその典型です。デュアル(2元)システムと呼ばれ、企業と学校が一緒に職人を養成します。職人の卵(見習い)は、まず自分がつきたい職業分野の親方(マイスター)と2年から3年の徒弟契約を結び、それをもって職業学校に入学を申し込みます。職場のマイスターのもとで実践的な教育を受け(6から7割の時間)、学校では、理論的、基礎的な授業を受けます。基礎や原理原則を実践的に学び、最後の卒業試験では、与えられた枠組み(材料、道具、予算、時間など)の中で、目標を定義(デザイン)し、自分で製作プランを作成し、一つのモノを卒業作品として作ります。例えば大工であれば、建物の躯体のミニチュアを、家具職人であれば、家具のミニチュアを製作します。

先日、BW州、シュツットガルト近郊のルードビックスブルク市にあるオルガン職人の職業学校を訪問しました。ドイツに一つしかない学校で、全国各地の工房でオルガン職人見習いをしている生徒が、年に12週間、2回に分けて集い、基礎と理論を学びに来ます。現在、1学年50名程度の見習生がいます。

オルガンは、その複合性、音色やデザインの多彩さから、「楽器の嬢王」と呼ばれています。教会パイプオルガンは、一つとして同じものがありません。個々の教会の広さ、室内環境、湿度、デザインや音色とその幅に関する依頼者の要望、予算など、与えられた枠組み条件に合わせ、1からデザイン設計し作ります。オルガン職人はオールラウンダーで、音響学、空圧理論、構造力学、デザイン、金属加工、木材加工、調律など、幅広い知識と技術を複合的に組み合わせて設計、製作します。演繹的なドイツのモノづくりの最高峰と言っていいでしょう。

「管楽器製作の技術やノウハウは、他の国が真似して習得することができるけど、パイプオルガン製作は、その複合性と個別設計のためか、なかなか他の国で真似できないみたいです。ドイツのオルガン職人が世界中から注文を受けて仕事をしています」と誇らしげに学校の副校長が話してくれました。

岩手中小企業家同友会 会報「DOYU IWATE」(2018年8月号)掲載

木の生存コンセプト(DOYU IWATE 5月号)

木は地球上でもっと背が高く、もっとも長生きする生き物で、地球上の生物の総重量の84%を占めています。ここ10数年あまりの最新の生物学の研究では、木を始めとする植物が、人間や動物と同じようにコミュニケーションを取っている、学習能力があることが実証されています。

ギブ&テイク

木は根から栄養を吸収していますが、そのために欠かせないのは菌根菌です。この菌は木の根の先端部に棲みつき、木に対して、土壌中の栄養分を、木の根が吸収しやすい形にして「提供」し、その代償として、木が光合成で生成した糖分を「受取り」ます。またその時々の状況に応じて、菌根菌が与えるものの中身(レシピ)は変わります。例えば、木が木喰い虫に食べられ始めた際、防御物質である樹脂をたくさん生産しなければなりませんが、木は根を通して菌根菌にシグナルを送り、菌はすぐにそれに反応し、提供する栄養物の構成を変えます。

次世代への配慮

木が「子供への配慮」も行なっていることが、最近の研究で証明されています。まだ小さく弱く「自活」できない稚樹に対して、母樹は、自分たちだけでなく子供にも栄養を補給するように、菌根菌にシグナルを出します。

協働で対策

また木は、危機的な状況に対して仲間に知らせ、共同で対策を実践し、また将来に備え戦略の変更もします。木喰い虫に食われた木は、他の仲間の木に対して空気を通してフェロモンの信号を送り、仲間はそれに反応し、菌根菌の助けを借りて樹脂を樹皮部分に集め防御体制を整えます。夏の日照りで乾燥が続いたときは、「みんな」で一緒に光合成の生産量を減らし、水不足に対応します。またそのような問題が数年続いたときは、葉っぱを小さくする(遺伝子コードを変える)、という戦略の変更をして将来に備えます。

木の「生存コンセプト」は次の4つです。

①相互扶助と同じ目線のパートナーシップ、
②弱いものを助け育てる、
③いいことも悪いことも迅速に正直にコミュニケーションをし、協働で対策を講じる、
④蓄積した経験で、将来への備えをし、必要な場合は、成長戦略も変える

木は、ブレない目標をもっています。長く持続的に生きるということです。それは、「みんな」一緒に協働してこそ達成できる目標です。

 

岩手中小企業家同友会の会誌「DOYU IWATE」の連載コラムより