笹の問題は、人間がもたらしたもの?

昨日日光の近くの森林を視察しました。
天然更新や苗木の成長を邪魔する笹の話しになりました。


この笹の問題は、半分以上は人間がもたらしたものです。だから解決可能です。

30~50%の強度の画一的間伐をした場所(面的に光が均一に当たりすぎているところ)に笹は生えています。皆伐跡地はとりわけ笹にとって絶好の環境です。
笹を抑える方法は、控えめで光環境が多様でマダラになる間伐です。実際にそのような光環境ができている場所には笹は面的な広がりはありません。
またスギやヒノキ、広葉樹が見事に天然更新している場所もありましたが、そこは光の多様性がある場所で、笹は木と共存していました。

間伐によって、均質な光環境も作れますし、多様な光環境も作れます。前者はリスクの多い単調な生態系を生み出します。後者はリスクの少ない多様な生態系を生み出します。

人間は、自然への賢い手の入れ方によって、問題を抑制しコストを大幅に削減することができます。どうやればいいかは、自然が示してくれます。

生産性が高く森林の多面的機能を創出維持する「自然と共にの森づくり」は、次世代のことを考え、愛情を持って、自然と辛抱強く向き合った人たちが経験的に編み出した知恵です。

画像に含まれている可能性があるもの:木、植物、屋外、自然

投稿者: Noriaki Ikeda

日独森林環境コンサルタント 南西ドイツを拠点に、地域創生に関わる様々なテーマで、日独の「架け橋」として仕事をしています。 ・ドイツ視察セミナー ・日独プロジェクトサポート ・日独異文化マネージメントトレーニング

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