次世代への配慮と備えの心が作り出した恒続森

中央ヨーロッパの山岳地域には、絶えず大径木が存在し、絶えず更新している恒続森の伝統を受け継ぐ地域が各地にあります。写真は、オーストリアのブレゲンツの森地域。
農林家や集落共同体が、次世代への配慮と家族愛の心で、適度な択伐を繰り返して作って維持してきた、多様で良質な大径材が生産される森です。
ウインチやタワーヤーダーの古き良き技術で丁寧に伐採集材作業されています。
昨年からのキクイムシの害による低質材の過剰供給で、建築用の針葉樹B/C材の価格が立米90ユーロから60ユーロに値下がりし、多くの森林所有者が困窮していますが、良質の広葉樹や大径針葉樹は、逆に値段が上がっており、多様で大径木のある森を育ててきた所有者は、大きなダメージは受けていません。
多様性はリスク分散です。
100年以上の生産期間がある森林業では大切なことです。

画像に含まれている可能性があるもの:空、木、屋外、自然

投稿者: Noriaki Ikeda

日独森林環境コンサルタント 南西ドイツを拠点に、地域創生に関わる様々なテーマで、日独の「架け橋」として仕事をしています。 ・ドイツ視察セミナー ・日独プロジェクトサポート ・日独異文化マネージメントトレーニング

コメントを残す