複合的に考え、多面的にバランスの取れたソリューション

20年前、私は岩手大学でドイツ文学をかじったあと、ドイツのフライブルク大学で「森林学」を学びました。森林官(フォレスター)を養成するカリキュラムです。経営学、政治学、法律、歴史、地質、土壌、地理学、気象学、化学、生物、生態学、狩猟学、樹木生理学、造林学、樹木計測、統計学、木材利用学、人間作業工学、木材工学、森林土木、環境教育、ランドスケープ学、自然倫理、、、と「多様性」ある内容を5年半みっちり実学重視で学びました。当時は講義とセミナーは全て1週間から2週間のブロック(集中講義)形式で、ハードでしたがフィールド学習が多く楽しく学べました。

複合的に物事を捉え、多面的にバランスの取れたソリューションを考え実践するトレーニングを受けました。これは私の大きな財産で、現在の活動のベースになっています。いろんな分野の専門家と専門用語で話せることも「多様性」ある森林学を学んだことの大きな利点です。

私はなりませんでしたが、森林官(フォレスター)は、ドイツの子供達の憧れの職業の一つ。森林官にとって大切な仕事は、森を「クリエイト」すること。その中心的な作業は「選木」です。残す木、切る木を選ぶ作業ですが、この作業で将来の森の方向づけ、価値創出をしていきます。選木作業では、森林官の頭のCPUは、樹木生理、生態バランス、自然保護、防災、作業手法、木材産業の需要、売値、作業コスト、など多面的な知識と経験が複合的に高速でフル稼働し絡み合い、同じものは一つとない一つ一つのソリューションを導き出していきます。

投稿者: Noriaki Ikeda

日独森林環境コンサルタント 南西ドイツを拠点に、地域創生に関わる様々なテーマで、日独の「架け橋」として仕事をしています。 ・ドイツ視察セミナー ・日独プロジェクトサポート ・日独異文化マネージメントトレーニング

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