社会の歯車から創造的主体に!

「春からオンライン授業でしたが、子供たちも先生たちも新しい状況によく対応してうまくやりました。自分は先生として子供たちの成果に大変満足しています。嬉しいことに対面授業が今学期始まりましたが、全学期の補習を提供する必要性はまったく感じていません。何人かの子供たちは、このコロナ期間に、かえってしっかり自分で勉強するようになり成長しました」昨日、日本で言うと高校生にあたる子供の学校の学期のはじめの定期的な父母説明会での担任の先生の言葉です。

「大変な思いや苦労している人たちもいるので、大きな声では言えないけど、自分にとってロックダウンとその後の今は、突然もらった素晴らしい贈り物だよ。仕事の後も夜イベントなど毎日のように予定がびっしり入っていたけど、突然全部なくなった。家に帰ってゆっくり料理したり、ソファーに座ってテレビを見たり本を読んだり、妻と話したり、自転車に乗ったりする時間ができた。大きな声では言えないけど、今、心も体もとてもいい気持(状態)だよ」手工業の会社のオーナーで、町の文化活動にも熱心な私の友人の言葉です。

ロックダウン中、世界中で早産、とりわけ超早期の早産(27週以前)が大幅に減少しています。

https://www.nytimes.com/…/coronavirus-premature-birth.html

デンマークでは、超早期早産が90%減少した、というスタディが発表されています。

https://www.medrxiv.org/con…/10.1101/2020.05.22.20109793v1

理由は解明されていませんが、ストレスが少なくなった、夫やパートナーが一緒にいる時間が長くなったからでしょうか?森で散歩やスポーツするのが好きなドイツの人々。コロナ危機により、はっきりと実感できるくらい森林訪問者数が増えています。以前は日常のストレスを発散するために森に出かけていたような人たちが、今はリラックスした状態で自然を時間を満喫してるような印象を受けます。ここに書いたこととは反対の経験をしている人たち、苦しんでいる人たちもたくさんいます。しかし、かなりの人たちが、当初の恐怖や不安による硬直状態を脱して、危機に柔軟にクリエイティブに対応し、変容し始めています。医学的には、アドレナリンがドーパミンに置き換わるプロセスです。

多くの人たちが、コロナ以前の「加速」したストレス生活から「減速」を余儀なくされ、そのなかで、自分を社会を見つめ直しています。子供として、親として、会社員として、先生として、消費者として、「社会の歯車」「対象」として生きていた現代人の多くが、創造的な「主体」に変容し、社会も変えていくプロセスが始まっている気がします。

投稿者: Noriaki Ikeda

日独森林環境コンサルタント 南西ドイツを拠点に、地域創生に関わる様々なテーマで、日独の「架け橋」として仕事をしています。 ・ドイツ視察セミナー ・日独プロジェクトサポート ・日独異文化マネージメントトレーニング

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