コロナがポピュリズムの減少を促進

ドイツのベルテルズマン基金による最新の興味深い社会学調査です。

https://www.bertelsmann-stiftung.de/fileadmin/files/BSt/Publikationen/GrauePublikationen/ZD_Einwurf_2_2020_Populismusbarometer.pdf

2017年、世界的な傾向と同調し、ドイツでも有権者の約3割がポピュリズム的スタンスでしたが、2019年以来、減少傾向があり、今年のコロナ危機がその減少傾向を後押ししている結果がでています。


ポピュリズムのピークだった2018年末と2020年6月の間の値を比較すると、「ポピュリズムの有権者」の比率は32.8%から20.9%と約12%の減少、「ポピュリリズムでない有権者」は、31.4%から47.1%と、約16%の上昇、「どちらにも該当する有権者」は、35.8%から32%と、約4%減少しています。

政党別で見ても、右よりも左よりもほぼどの政党においても、ポピュリズム有権者の割合は2018年との比較で、大きく減少しています。唯一「緑の党」だけが、もともとポピュリズム有権者の割合が少なく、減少幅も僅か。

この調査は、学術的にポピュリズムの定義をし、それに基づいてアンケート項目を作成し行われています。多様性のデモクラシーの発展を望む私としては嬉しい傾向です。コロナで進行している多くの人々の内面の質的変容は、持続可能な社会に待ち望まれるパラダイムの変換を牽引する力になると希望を持っています。

投稿者: Noriaki Ikeda

日独森林環境コンサルタント 南西ドイツを拠点に、地域創生に関わる様々なテーマで、日独の「架け橋」として仕事をしています。 ・ドイツ視察セミナー ・日独プロジェクトサポート ・日独異文化マネージメントトレーニング

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