自由の最大公約数

「個々人の自由というのは、他の人の自由が始まるところで終わる」

ドイツの哲学者カントが200年以上前に言った言葉です。

自由はデモクラシーの支柱の1つで、幸福感の重要な要素ですが、勝手気ままな無制限の自由の行使は、他人の自由を奪ってしまいます。個々のたくさんの自由を成立させるためには、各人による360度の「気くばり」が必要です。

また、現在、世界で大きなテーマになっている健康や福祉、社会的公平は、自由を行使するための前提条件です。今回のパンデミックや災害は、人間に対しても自然環境に対しても「気くばり」が不可欠なこと、そうでないと、多くの自由が奪われてしまうことを、私たちに教えてくれています。

民主的な社会では、話し合いや議論、法律や制度によって「自由の最大公約数」を求めていく努力を絶えず続けていかなければなりません。複合的に共生進化する森の多様な生き物たちのように。

新刊『多様性〜人と森のサスティナブルな関係』では、人と森と木を軸に、私が大学や生活や仕事で身をもって学んだ自由と気くばりのバランス、「自由の最大公約数」を求めるための心のスタンスを描いています。
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投稿者: Noriaki Ikeda

日独森林環境コンサルタント 南西ドイツを拠点に、地域創生に関わる様々なテーマで、日独の「架け橋」として仕事をしています。 ・ドイツ視察セミナー ・日独プロジェクトサポート ・日独異文化マネージメントトレーニング

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