将来を担う世代 (DOYU IWATE 2018年9月号)

8月初めに、愛媛県の上浮穴高校の高校生10名と引率の先生3名が、シュヴァルツヴァルトに森林業と木材に関する研修に来てくれました。私にとっては、久しぶりの10代の若者たちのグループで、しかも私の専門分野がテーマだったので、モチベーションが湧き、若いエネルギーももらうことができた充実した6日間でした。

上浮穴高校は、愛媛県の松山市から南に40kmくらい、四国山脈の麓に位置する林業が盛んな久万高原町(くまこうげんちょう)にあり、希少な「林業科」をもつ高校です。卒業生は、地元で林業事業体に就職、もしくは大学や専門学校に進学しています。

自然が豊かな場所ですくすくと育った素直で陽気で、高い自己管理能力と社会性をもった生徒達でした。引率の先生方も、生徒たちを優しく見守る、背後からサポートする、というスタンスで、私としても気持ちよく視察プログラムを遂行することができました。

シュヴァルツヴァルトの持続可能な森林業の現場で、「林業」と「森林業」の違い、森林の「国土保全機能」や「レクリエーション機能」「木材生産機能」を、統合的に扱う森づくり、そのために必要な「質の高い路網」、単一樹林を混交の複層林に変えていくための「将来木施業」などを、森林の現場実習で、現地森林官がわかりやすく解説しました。危険な仕事である森林作業に必要な「心構え」や「防護装備」についても実際の作業や現物を見せて説明しました。生木を使った木工ワークショップも行いました。フライブルク市の環境共生の街づくりに関する研修も行いました。

内容的に大人向けの視察セミナーと同レベルのものでしたが、若く好奇心がありオープンマインドな愛媛の高校生達は、集中力を絶やすことなく、自発的に質問もし、有意義な研修だったと思います。

生徒達は、これから日本の将来を担う世代。わずか6日間でしたが、彼らがこれから自分のペースで成長し、有意義な人生を構築していくための、持続可能な社会を構築するための、いくつかのアイデアやヒント、勇気を与えることができた視察セミナーであったことを願っています。

幼樹や若木が成長するためには、樹種や個体特性に応じて「スペース(=光)」が必要です。しかし、気温の変化や極端な日射や雨風を緩和する「大人の木(母樹)による保護」も必要です。個体別の適度な成長スペース、適度な保護。人間も同じだと思います。

ドイツ視察セミナー 森林業 Forst live (林業機械展) 2019 3. 28 – 4. 1 

ドイツ視察 森林業 サステイナビリティの原点

ドイツ視察 農林業 BIO  再エネ 地域創生 (学生向け)

視察セミナー 「屋根+木」展 黒い森

2018年2月末に、「屋根+木展 & 黒い森」というタイトルで視察セミナーを開催しました。2年に一度の木造建築分野の一大イベント「屋根+木展」訪問と、黒い森地域での、木造建築ならびに森林視察という内容でした。

木造建築においては、今回、私が思い入れのある古建築の修復事例も見学しました。廃屋が、心地よく魅力的な村のコミュニティセンターに改修された事業や、大きな納屋が、レストランとホテルに生まれ変わった事例です。歴史や文化詰まった古いものには、ノスタルジーがあります。また、機能性や経済性が強く求められている現代建築にはないデザインと空間があります。

木工職人が通う職業学校も訪問しました。ドイツでは、デュアルシステムという伝統的な職人教育の仕組みがあり、職人の見習生は、地元の企業の親方(マイスター)と学校の先生の両方から、実践から理論まで、包括的な教育を受けます。

森林視察では、フライブルク市有林を散策しました。人口密度が高く、森の国土保全機能と保養機能が重要なドイツや日本のような国において奨められる「統合的な森林マネージメント」「多機能森林業」を体感してもらいました。

下記は、1人の参加者からのメーッセージです。

「今回は自分の視野を広げたいと思い参加させていただきましたが、高い満足度で目的を達成することができました。見学の中で個人的に最も興味深かったのは職業学校と理想的な森林の様子の2つです。今後の目標として、研鑽を積み多角的に思考できるようになるために、ツールとして技術を磨いていきたいと改めて思いました」

 

 

ドイツ視察セミナー Ligna国際木工林業機械展 & 黒い森  2019  5. 29 – 6. 2

ドイツ/オーストリア 建築セミナー 「木」と「土」と「藁」の建築

ドイツ視察 森林業 + 木材